九州対馬旅行記
2007年8月6日〜8月9日


プロローグ


勉強漬けの夏休み。

今までいろんなことをのらりくらりかわしたりかわさなかったりしたわけだが、こればっかりはどう考えても逃れないのは明白というのが受験生というものだ。
しかし、長期休暇にどこにも出れないというのはオタマジャクシを真夏のマンホールの上に置くようなもので干からびないほうがおかしい。
やはり受験生という立場を知っていても採集に行きたいのが虫屋というものである、と確信したい。
そんな折、お袋が「去年行ってないんやしオープンキャンパス行ってくればどう?」と勧めてくれた。
私の志望校は九大・・・・九州・・・・・対馬・・・・・ハッ!

YES!行きます!

ということで、福岡市内に宿を取るかわりに対馬に宿を取るということで一泊だけの対馬採集が実現したのであった。

本編

さあて、いよいよ今日だ。
夜出発なのに朝から大変なわくわくである。
しかし、わくわくしているわりには出発の日にちを一日間違えていて2日後だと思っていたら、前日お袋に「明日出発やろ?」と指摘されるまで気付かないというようなやる気のなさも垣間見える。
あばばばばーばあばばばばぁ。

当日の朝に開店直後のコーナンに駆け込んで必要な装備の8割を調達するなどの綱渡りをいつもしている私だが、今回は珍しく事前に買い出しをこまめにしていたので当日はすしのこと最近折れた玉網の柄、それに国土地理院の地図を買うだけですんだ。
余談ながらこの地図は家に忘れました。
あばばばば。


夜9時10分、家を出発。
本屋で「ピューと吹く!ジャガー」の12巻を買って行く。
この巻は友人のS野に借りて読んだので自分で買っていなかったのである。これで全巻そろった。そのまま三宮に移動。
今回乗るムーンライト九州号を待つ。
しらじらしく写真を撮りまくるのもアレなので、ジャガーさんを読んで待つ。

きー

たー!
22:28、ほぼ定刻通り乗車。
しばらくぼんやりしていたら隣りのおばさんが話しかけてきたので、しばらく話す。
おばさんは厚狭で降りて広島に戻り、宮島に行くらしい。
あとは前に座っていた一人旅少年に話しかけたりもした。
やけに発音が聞き慣れないものだったからどこから来たか聞くとなんと愛知県の蒲郡らしい。
しかも目的が乗りつぶしだから恐れ入る。

車内の様子
乗りつぶしというのは日本全国のJR路線に乗って制覇するという鉄ちゃんの定番である。
実は私も虫採りついでに地味にやっているが、こればかりはさすがに本格的にやってる人には敵わない。
少年はムーンライト九州に乗るまでに1日で京都と奈良の全線を制覇したと言っていた。

1:00前に何となく就寝。寝にくいので授業中によくやる「机に突っ伏して寝る」をやる。
するとすぐ寝れた。
もしかしたらかなりこの寝方に慣れているのかもしれない。

5:30、目が覚める。
すでに下関の手前まで来ていた。
隣りのおばさんはもういない。
「下関で機関車の交換を行います」というアナウンスがあり、そのまま電車は下関に滑り込んだ。
駅のホームにはありがちなちっこい駅弁屋があった。
その駅弁屋に電車が十数分停車すると分かるやいなや乗客が一斉に群がり出す。
私は朝弱いタイプなので当然腹など減っておらず、「こんな朝早くから仕事なんて駅弁屋のおばさん相当朝型やねんな」などと邪推をしつつぼんやりと駅弁屋に殺到する人を眺めていた。

殺到

そして殺伐

機関車交換が完了したらしくまた電車が動き出した。
機関車交換をするということは交直流が入れ替わるのかもしれないなあなんて思ってるうちに関門トンネルを通過、人生で初めての九州上陸と相成った。
駅を停車したり通過したりしながら電車は西へ向かう。
途中の折尾駅の駅ビルの名前が「オリオン」だった。
やせいのオリオンが飛び出してきた!
やっべオリオンまだもってねーよこれどうしようああああもういいやれいとうパンチ!

どうやら八幡製鉄所跡

7:18、博多到着。

駅前にいきなり竹中工務店のビルなどがある。
随分オフィス街的な雰囲気だから、もしかしたら娯楽施設は天神の方に固まっているのかもしれない。
駅前のバスセンターにダイソーと紀伊国屋を見つけたが、残念ながらともに10時まで開かないようだ。
対馬行きの船は10:10にでるのでどうやら寄ることはできまい。

あまりに博多周辺がつまらないので地下鉄で天神に移動。
天神からも対馬行きの船がでる博多埠頭行きのバスに乗れるから戻る必要はない。

地下鉄で福岡弁丸出しで電話している女性を見て感動する。

天神到着後またさまよう。とりあえずバス停を探すがなかなかみつからない。
無駄に途中にあった薬局でこんなもの発見↓

拡大→

!!ぢ!!
さまよいまくってどうにか探し当て、バスの時刻を調べる。

ここで時刻8:45くらい。バスまで45分あるのでネット喫茶を探す。
店も何も開いてない朝に頼りになるのはネット喫茶かコンビニというのはもはや現代社会の常識である。
時たまイントネーションがおかしい標準語を話す受付の人をやり過ごしてパソコンに向かう。
ところがメールチェックくらいしかやることがなくて困ってしまった。
しかたなくドリンクバーを頻繁に利用しながら適当こいて休む。

待ってたら時間がきたので席を立つ。

さあ後はバス停に向かうだけだ。

巨大な三越と大丸の通りを歩いてバス停をさがす。
しかしなかなか見つからない。
だんだん時間が押してくる。
…やっべ、見つかんねぇ…

ついに、バス停が見つからない状態でバスの発車時刻をすぎてしまいジエンド。
やっちまった!
普通ここは「ギリギリで見つかり滑り込みセーフ!危ないところであった」などという展開が望ましいのであろうが、

はい残念余裕でアウトでしたー。

後で気付いたのだが、私が探していた区間よりバス停はもっと北であった。

しかたなくタクシーを使って博多埠頭をめざすが、これまたこの運ちゃんがものすごい運転をするもんだからゲッソリしてしまった。
素人がやるレーシングゲームの車両、あれが現実に再現されているという表現でも行き過ぎではあるまい。
博多に出現いろは坂。
まあしかしタクシーとは速いもので出発25分前には着いてしまった。


そのまま乗船手続きを済ませる。
搭乗口に並ぼうとすると長蛇の列ができている。こんな量の人が果たしてちっこいジェットフォイルに乗りきるのか心配になる。

待っていると乗船が始まった。
ジェットフォイルなんか神津島以来だ。
私は運良く一番後ろの席1列をほぼ独占することができた。
ただ、シートベルトの着用をせねばならなかったので寝転がることはできなかっ た。
一列意味なーし。
船がゆっくり動き出す。ジェットフォイルらしく途中から急にスピードがでる。
なかなか楽しい。
途中で何回も「巨大海中生物衝突時の安全のためシートベルトを着用してください」とアナウンスがある。
結構クジラとかネッシーみたいなのがいるらしい。
くわばらくわばら。

寝ようと思ったが案外寝れなくて退屈していると壱岐に到着。
別に嬉しくない。
到着間際、窓の外に向かって手を振る人などが発生して微笑ましい。

片山さんとこ採集記でもいじられています。

15分程度で壱岐を離れる。
窓の外もつまんないし備え付けのテレビが垂れ流している大リーグ中継もときどき画像が乱れて肩がこるのでひたすら音楽を聞きながらジャガーさんを読みかえしていた。
壱岐出発から1時間弱、ようやく船のスピードが緩み、対馬到着のアナウンスが流れた。
待ち切れず荷物をまとめて出口で待機する。
そして10分後、夢にまで見た対馬上陸を果たすことになった。
しいたけの島に。

港を出てまず真っ先に向かったのは泊まる予定のユースホステルである。
チェックインはできなくても荷物を置かせていただかないとろくに採集なんて行けっこない。
で、探したがよくわかんない。
開始数分で遭難した。
地図もないし困る。
しかたなく土産物屋にはいって「ユースホステルどこですか?」と聞いたが、「聞いたこともない」みたいなリアクションをされて落ち込んだ。
第一村人、役に立たず。
仕方ないので切り札である携帯のナビゲーション機能を使うことにする。
ナビゲーション機能とは私が持つ携帯についている、これが付いていることが携帯購入の決め手になったわりにははっきり言って普段は全く役に立たない機能なのだが、ここにきてようやく真価を発揮するに至った。
ただ、通信料がかかるのであまり使いたくない機能ではある。


既婚女性山本さん。
縮尺が中途半端な時だけユースホステルの位置が表示されていて、拡大すると無くなるという意味わからない不便さのナビをのうのうと映す携帯とにらめっこしながらようやく到着。
着いてみると、インターネットで調べていたのである程度知っていたが、それでも圧倒されるくらいとにかく「寺」である。
寺院に宿泊施設をくっつけたものらしく、部屋は普通の旅館と比べて遜色なかったが、縁側に通る涼しい風、冷暖房完備の部屋、さらには窓から丸見えの墓石群と涼しい仕掛けがいっぱいである。





すぐに障子閉めました。





宿に荷物を置き、採集用具のみまとめて出発する。
喉が渇いたので自販機に金をねじ込みジュースを買う。
物価は本土と同じか、少し安い感じだ。
あまりに暑いので山に入る前に干からびそうだが何とか登山道に到着。

旅館街を抜けて

山道へ
途中にシイタケのホダ木があったが、ベニフカミキリもタイワンオオテントウダマシも見つけることはできなかった。
うーむ。


気を取り直して今からコップを埋めて行く。
林床はたまに木の根が絡まっていて掘りづらいところがあるにしろまあまあ許容範囲のような気がする。
林内が乾燥しているようなイメージは特に受けなかった。
道が細くなってくる。
コップを埋めていると突如赤い何かが向かって来た。
「うわああああ!ハチだ!」とパニクりながら逃げる。
瞬間、目の前が真っ白になり、気付けば道の横の小さい崖に落ちていた。
むちゃくちゃすりむいている。
えぐり取られた表皮層の下からのぞく鮮やかな

おにく


しかも、その飛んできた赤い物体はハチではなくアカウシアブらしかった。

こんのブタアブ野郎!

うっとおしいがまたコップを埋めていく。
アブはたくさんいるわけではないが常に1匹はまわりを飛んでいる。
うっざ。
穴を掘っているとズボンにアブが止まったのですかさずひっぱたく。
見るとアカウシアブではない別のアブが地面でひくついていた。
そこをピッケルに付いているハンマーでとどめをさす。

人間様の大勝利。


しばらくしたらまた別のがやってくるが、なぜか必ずズボンに止まるのでそこをぶったたくというような感じでディプテラ狩りしつつコップを仕掛けて行く。
そんなことしてると頂上に出た。ここから道がまだ続いているはずなのだが


みつからない。
頂上がやけに寒々しい。
しばし休息。
ミヤマカラスアゲハやツマグロヒョウモン、さらにはクソでっかいバッタが飛んでいる。
休んでいるとゴマダラカミキリをみつけた。
あー、やっぱこんな日本の西の果てみたいなところにもゴマダラいるんだーと見ていると、空を赤茶色のカミキリが飛んでいるのが見えた。

まさか、ベニフ…?


しかし、網もなく気付いた時には後の祭り。
ただただ見送るしかない。
彼はやがて北の空へと消えていった。

"柳の下のドジョウ"を狙うべくすわりこんでじっと虚空をみつめるがたまに視界をツマグロヒョウモンがかすめる以外は何もいない。
しばらく粘ったがらちが明かないので山を下りる。
別の道に入ってトラップをかけたりしたが動ける範囲が意外に狭く、36個しかかけることができなかった。

予想外に時間が余ったので夜の街灯回りの下見をかねてベニフカミキリを探すことにする。
とりあえず街に下り、案内板を頼りに別の道に向かう。
街灯がちょくちょく立っているがあまり美味しそうではない。
むしろダメそうな感じだ。
なかなか山に入れる道が見つからないので港の方に向かう。
「しいたけの島」の看板に賭けたのである。
しかし、看板のところまで行ってみるとホダ木どころか木もまばらで唖然とした。

ハリボテやんか!

先に進むも素晴らしい袋小路でゲームオーバー。
げっそりんぐ。

萎えつつ元の道にもどり、今度は宿とは反対方向に歩を進めることにする。
こちらは山に近付けそうな道は辛うじて付いていたのでそれらを攻める。
が、なかなか山に入ることはできずだいたい道に入ると最後に民家があって終了といったパターンである。
だんだん足がつかれてくる。
もう対馬ではなくて川西あたりを歩いてる気分だ。新鮮さが全くない。
そのうちやっと木立ちに入れる道を発見したが残念ながら杉の植林で見る影もな い。
しかも「発砲禁止」って・・・・
ほかの場所では撃たれるのだろうか。。。
山に入れないとは困ったものだ。
途中でアカテガニなどを目撃する。
イラネ。
しかも手だけじゃなくて全身まっかっかっか。
これはもしや・・・・噂のツシマフトギス!?


でもたぶんフキバッタ。
フキバッタisハネカクシ説。
結局ベニフカミキリにもタイワンオオテントウダマシにも道端を散歩しているツシマカブリモドキにも出会うことなく戻ることになった。
まだ5時過ぎなのに疲れが限界に近い。
近くにバス停があったのでバスの時刻をみるが30分待たないとバスが来ないのであきらめた。
しかもそれが終バスである。
だいたい予想は付いていたが灯下採集にバスを使うことはできない。

30分くらいかけて厳原に戻る。
何はともあれ飯の調達は欠かせない。
素泊まりの宿なので飯が出ないのだ。
目をつけておいたほっかほっか亭で唐揚げ弁当を手に入れ、
続いて懐中電灯を忘れたことに気付き案外そういうのありそうなミドリ薬局に行く。
店内がやけに騒がしいと思ったら開店セールをしていた。
どうやら最近できたらしい。
中に運良く100均コーナーがあったので電池とライトを買った。

宿に戻り飯をかき込む。部屋もきれいだしクーラーもあるしで快適なのだがテレビがなく、じっとしていてもやることがない。
まだ6時半だが出発する。
街灯はついているがまだ明るいため当然虫もいない。
コンビニに立ち寄りリプトンのグレープフルーツティーを買って飲む。
駄目もとでライトポイントの追加をもくろむがそうはいかずだんだん暗くなり、やっと街灯が明るく感じるようになってきた。
いざ街灯をみてみるとまあ予想通り残念な状態でカゲロウ程度しか飛んでいない。
というかやけにヤモリが多い。

多いところでは7匹くらいでカルタ取り状態になっている。

あっ、大きい虫が飛んでいる!


と思ったらアオドウガネだった。

こりゃあ萎えますわよ奥様!

時間が経っても全く虫が増えない。
夏真っ盛りなはずだが…俺人虫さんに頼まれているフサオシャチホコどころか甲虫も危ない。

何とか見つけた対馬名物、でかいカドマルエンマ。
しかし、踏んだから存在に気づいたというのは秘密だ・・・
アトボシアオゴミムシとか、そのへん。
こいつらが飛ぶということを初めて認識した。
孫太郎の親御さん。
クワゴ!
ちょっとかわいいけどいらんね。
高いところにいらっしゃるシモフリスズメ。
こっちはエゾ。
ステルス戦闘機みたいだが、実際はのろい。
結局粘ったが見つけた甲虫がノコギリカミキリとゴミムシ2種、カドマルエンマ、 アオドウガネとコガネ2種のみだった。蛾に至っては中型以上のサイズの蛾がモモ スズメ、エゾシモフリスズメ、シモフリスズメ、クワゴのみという最悪のパター ンだった。
コガネ2匹だけおもちかえり。
でも高確率でナガチャコガネとクロコガネだ。
まあ、いっか。

宿に帰って風呂を浴びる。
明日は船の都合上5:30に起きて回収しないと間に合わない。
アラームをセットして12時前に就寝した。


Zzzzzz・・・・

起床。
文字通りガバッと飛び起きる。
今何時だ?
アラームの音で目覚めたわけではない。ということは……冷や汗が伝う。あわてて携帯を確認すると5:13と表示されている。

さすが俺。

ま、緊張で眠りが浅くなっただけかもしれないが。
さっそく準備し、回収にむかう。
朝の風が心地いい、と言いたいところだがなんか生ぬるい。
さっそく山に入る。
1つ目にコホソクビゴミムシとかいうのが入っている。
外道だが、虫はあるいていたようだ。
しばらくヌルが続く。
しかもヌル具合が尋常でなく、本当に何も入っていない。
嫌な感じだ。
11個目に久々のコホソクビゴミムシが2匹ほど入っていた。
そして12個目のコップをのぞきこむ。


ぁぶおべぉぼごぁっ!?

なんかいる!
あこがれの虫がコップに落ちて狼狽していらっしゃる!
ツシマカブリモドキ

来た甲斐があった。
これで目標達せられん。
そっとケースに納め、続けてトラップ回収を行う。

あ! なんかしらんけどコクワがはいってる!

まあ、せっかくだし、まあ対馬ラベルもいいかなと思って







コホソクビゴミムシをキープした(^o^)/

コクワは投げた。

下りでもすしのこにはまって死んでいるツシマカブリモドキを追加。
2番でお待ちのお客様ご案内でーすっっ!

というわけで、2匹だけだけどなんとかここに来た目的たるツシマカブリモドキをキープすることができた。
よかったよかった。
山を下りる。
途中で木にくっついてたサビカミキリの仲間をつかまえる。
今回キープした唯一のカミキリとなった。


上機嫌で宿に戻る。
いい虫だなー、これは。うっとりしてまうで。
うだうだカブリモドキを眺めていたが、気付くとかなり時間がやばい。
急いで荷物を引き払う。
宿の人に挨拶をして急いで港に向かう。
幸いまだ大丈夫だったので普通に船に乗れた。
だんだん対馬がとおざかる。
バイバイ、つしま!
対馬は日本で3番目に大きい島だ。
淡路島や神津島ですら、徒歩くらいしか移動手段がないとなると当たり前だがかなり辛く、とてつもなく大きく見える。
それがこの規模の島である。旧厳原町どころか、多分中学校の校区からも出れなかったくらいだと思う。
島とはいえ、徒歩の私には大陸にしか見えなかった。
次は絶対免許を取ってから来ると誓う。

さすがに疲れて船ではずっと寝ていた。
10時頃に福岡に帰着。
思えばちょうど24時間前にここを発ったのだ。
仕方ないとはいえ、やっぱりもっとゆっくりしたかったなあ。

ちょっと見たかった、船の待合所にある巨大水槽。
神戸市立須磨水族園にあってもなんら不思議はない大きさだ。
えいえいえいえいえいえいえいえいえいえい
とりあえずバスで博多へ。


荷物を家に送るべく宅配便屋を探すが見つからない。
結構焦ったが、思いがけず博多駅のすぐ裏に博多中央郵便局を発見。
ゆうぱっくゆうぱっく!
網の棒が入るかどうかをピタゴラスの定理なぞをイキって使って計算ミスったりしながら何とか発送。
かなり身軽になった。
動きやすくなったところで今回の最大の目的たる九大のオープンキャンパスにむかう。
電車で箱崎へ行き、地図を確認。
わーおわおわお!
てくてく歩き出す。
あっつい。

しばらくして九大に到着。
なかになぜか制服を着ちゃってる学生がうじゃうじゃわいている。
後で知ったのだがどうやら学校単位でバスをチャーターして来ているらしい。
ご苦労様です。

広いものの案内板にしたがって歩いていったらあまり迷わずに農学部のシマまで行けた。
しかし、ここから昆虫学教室まで行くのに結構迷ってしまい時間を食ってしまった。

ようやくたどり着く。
すでに20人ほどがいた。
説明のプレゼンを聞く。タイプ標本などの用語が出てきまくっている。
一般の人には辛いなぁなどといらん心配をする。
終わったあと私ともう2、3人を残して皆いなくなってしまった。
多分この沈殿こそが虫屋なんだろう。
そうおもったが、案の定だった。

虫は偉大だ。
相手が見たことも聞いたこともない赤の他人でも、いざ虫屋とわかればすぐに意気投合できるのだから。

そう感動するほど一瞬で居残り組の虫屋の1人と助教授の方、それに博士課程の学生の方と親しくなりしゃべりまくる。
15時までのつもりがあっという間に18:30になってしまった。

九大を出るともう空が茜色に染まっていた。
いつか九大生としてまたこの空を眺めたいものだ。
また絶対来るぜ九大!
少なくともテストの日には!
博多の吉野屋で豚丼をかきこむ。
ぶっひいいいん!
夕飯にしてはささやかだが、あまりたくさん食べたくもないから妥当だ。
そのあと行きに寄れなかった紀伊国屋とダイソーにいって電車までの暇をつぶす。
多分10時頃だったな、店閉まったら何しようなどと考える。
実はこれが伏線だった。

トイレに入ってカブリモドキを見る。
死んでいたはずの個体が復活していた。
たまにオサムシって復活するよなぁ。

それから本を読んで時間つぶし。
しかしあまり読む本もないので何となく切符を見ると、出発時刻が20:30になっている。
あわてて時計を見ると20:08となっている。
あばばば!
急いで博多駅に向かう。
しかしよく考えてみたら博多駅と紀伊国屋は目と鼻の先である。
大急ぎするほどでもなかったと気付きちょっと恥ずかしくなる。

待ってたら電車がきたので乗り込む。
あまり余裕はなかったが、充実した旅だった。
最後の最後まで余裕ぶっこく→時間なくなって焦るという恥ずかしい方程式を解き続けてしまった。
でも、ほんと来てよかった。

さすがに帰りということでぐっすり寝られた。
そのまま、ほとんど起きることもなく予定通り神戸に帰り着いたのだった。

エピローグ

結局、現役の受験では九州大学を受けることはなかった\(^o^)/
しかも壮大な勘違い。
受けた神戸大がボーダーまでのビハインドが12点/400、九大は13/450。
どちらがビハインド率が低いかは自明である。まあ、私の人生なんてこんなものだ。
次は改めて九大を狙い撃ちしたいとおもいまぁーっす!

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